秋元康さんと西野亮廣さんに見るファン化のマーケティング

マーケティング分析

どうも、路傍のおっさんです。一応これ書いたので100日チャレンジは達成という扱いにしたいと考えています。

今日は、48グループ関連から秋元康さん、えんとつ町のプペルから西野亮廣さんをファン化というフィルタを通して見てみて、やっぱすごいなぁって書いていきます。

書いていて気持ちが乗ってきたため、断定的な言葉を使っていますが、全て私の想像です。ご注意ください。

ファン化について

自身の商品やサービスについてファンになってもらう重要性は「アンバサダー」や「応援購入」などの言葉が出来るように重要視されています。その背景にLTVの概念が企業に根付いてたためとも考えられます。

現代では情報が飽和していて、かつ、商品やサービスについては類似商品や代替商品が必ず存在します。どんなに新しく儲かる商品やサービスでも、逆に儲かれば儲かるほど、すぐに類似商品は出てきます。

また、技術的に大きく差があったとしても、消費者目線だと差が専門的過ぎて大差が無く同じように見えてしまうのも現代の1つの特徴だとは思います。

そんな中で、消費者が商品やサービスを選ぶ理由として、ファンかどうかは重要な要素です。

そして、ファンといえば、俳優、女優、アイドルだと思います。

やっぱり凄すぎる秋元康さん

凄いところ1ーどこがブルーオーシャンか知っていた?

まずは、48グループの秋元康さんから書いていこうと思います。

昭和から2000年ぐらいまで、俳優やアイドル、タレントは基本的にはテレビの向こう側の人という認識が強かった。

また、消費者が向ける視線も昭和のスターと言われるように一種の憧れという感情がファンの中で強かった思います。

ただ、ファンになるというのは憧れの感情だけでなく、ルックスが良いから好きという感情や母性本能をくすぐられるという感情、努力している姿に感動する感情など様々要素でファンになると思います。

しかし、昭和から2000年ぐらいまでのアイドルに関しては、どちらかというと憧れや手の届かない存在という部分でファン化させる方向性が強かったと感じています。モーニング娘。のオーディンションであっても、大半の人はテレビの向こう側で行われていることだと感じていたと思います。

一方であまりテレビに出ていない、売れていない芸人に対して、ものすごく熱量を持ったファンが出来るのも事実です。

昭和のスターのような憧れや手の届かない存在という部分ではなく、母性本能や支えてあげたいなどの感情で手の届く存在という部分でファンになっています。

例えば、ファンが芸人のライブチケットを1人で全部買い占めて、芸人側が頼んでいないのに買ったチケットを無料で配り、ライブ会場を埋めるという事を行います。

これをお菓子で考えると、消費者の1人が自費で棚に売っているその商品を買い占めて、この商品は他のと比べておいしいから絶対食べる価値ありと無料で配っているところを想像してみてください。

絶対にありえないとは言いませんが、私は今まで見たことありません。

しかし、芸人のファンで実際に10席程を余分に買って配るという行動をしているファンはいます。

このように置き換えると、芸人のファンが圧倒的な熱量を持ったファンだということがわかると思います。

ここまでをまとめると、

  • おニャン子クラブでさえ、大半の消費者がテレビの向こう側という認識であった。
  • その当時の芸能界の商品価値を上げるのは憧れや手の届かないという部分でブランディングを行うのが通念化していた。
  • キャッシュポイントまたは売上を多く生み出すのは、熱量の持ったファンであり、テレビを見ているだけの視聴者からは売上は生まれない。
  • 当時の芸能界において、売れない芸人のような手の届く存在だからこそのファンというのはブルーオーシャンだった。
  • おそらく秋元康さんの頭の中には芸能界のどこが今レッドオーシャンでどこがブルーオーシャンであるか知っている。
  • 今回はファンという切り口考えたが、秋元さんの切り口は大量にあると思われる。そしてその大量の切り口を通して芸能界という市場を捉えていると思われる。

凄いところその2ーエンタメ系のファン化は制御不可。だから集めた

エンターテイメント系のファンというのはどちらかといえば恋愛に近いと考えています。

皆さんの周りにも自分と違う俳優や女優が好きだと言う人はたくさんいると思います。音楽や漫画、アニメだって周囲の人と好きなものが違っていることなんてざらにあります。

何でそれが好きになっているのか?ファンになっているのか?について話をすると、基本的に答えるのが難しいのではないでしょうか。

これが、家電などになると、「性能がいい」や「フォルムがオシャレ」とか項目がかなり限定されるのですが、エンターテイメント系のコンテンツに関しては答えが限定されにくいです。

このような部分でエンターテイメント系の特にアイドルやタレントなどのファン化に関しては恋愛で人を好きになるのと同じような感覚であると私は考えています。

なんでこの人がこの人と付き合っているんだろう?という感覚があるように、また、一目惚れするタイプの人もいれば、一目惚れは絶対しないという人いるように、人の恋愛の好きは基本的に制御は不可能です。

顔が良い、スタイルがいい、清潔感があるなどの好感が持てる要因はあっても汚ギャルが好きな人もいます。

このような中でエンターテイメント系のコンテンツを作るにあたっては、提供者が好きなように作り、それに共感してくれる人がファンになればいいという感覚が根底にあると思います。

そして、この考えを覆したのが秋元康さんだと私は考えています。

AKBグループのファンになってもらうために、色々な人が好きなってもらえるように色々な人を集めた。という事です。

また、その1で手の届くがブルーオーシャンだからこそ、人を集めるにもクラスの2位や3位ぐらいの女の子を集めています。

また、多種多様な人を集めることで5Aのawareの認知段階においても強い効果を発揮している。

認知とは知っている事だが、ニュースなので必ず聞いているのに記憶残らないことは多い。それはフックとなるようなものが無いからである。

フックとは「AKB?あのショートヘアのタレ目で可愛い子がいるグループ?」のような「ショートヘアのタレ目で可愛い子」というフックがあってそれとAKBが紐づいてAKBを認知することになる。

秋元さんは多種多様の女の子を集める事によってこのようなフックを量産する事に成功している。

具体的な例を挙げると須田あかりに関しては私の近くでは「リンボーの子」や「体が柔らかい子」を通して、SKEを認識をしている人は多かった。「SKE?あのリンボーの子がいるグループ?」という方法で認知をしていた。

ここまでをまとめると、

  • エンターテイメント系のコンテンツのファン化は恋愛と似ており、かつ、ファンになってもらうは制御不可能(100人が100人とも一つの作品やアイドルにファンになってもらう事は不可能)
  • エンタメ系のファン化は制御不可能なら、秋元さんは手の届くというブルーオーシャンを前提に多種多様の女の子を集めてAKBという箱に入れた。AKBを万人がファンになれる下地を作り上げた。
  • 多種多様の女の子を集める事でフックを量産した。

凄いところその3ー移り変わるなら48グループ内で

人の好きは移り変わっていきます。原因として慣れや飽きがあると思いますが、他にも予期していない自分とっては負の感覚。例えば、煙草を吸っていたや女性アイドルだと合コンしていたとか、違法薬物や反社会的組織と繋がりがあったとか色々な原因でファンが風化していきます。「好きだった」や「ファンでした」の状態になります。

とはいえ、移り変わられてしまうと48グループの売上が出なくなってしまいます。ハロプロメンバーへと移り変わられたら48グループの売上はあがりませんよね?

ファンが飽きて別の何かを求めるならば、48グループ内で移り変わらせれば48グループの売上としては変わりません。

それではどうやって意図的に48グループ内で移り変わらせれるのか?

その前に、基本的に48グループ内の誰かを好きに、ファンになったと考えるなら、他のグループメンバーのファンになる素養は十分にあります。

なぜなら、多種多様の子を集めたとして、外見的に似た子はいますし、精神的な部分、努力しているとか友達思いとかはメンバー全員に必ずあてはまるからです。

あるメンバーのファンになって、あるメンバーのファンじゃない理由は多くの場合は知らないことが原因です。そして、知るきっかけは外見が良いなどの理由になりますが、深みにハマっていく理由の多くは精神的な理由が大きいです。

そうなると、知るきっかけさえ与えれば、48グループ内でファンの移り変わりは可能ということになります。

結果、ファンになったメンバーを入り口として、他のメンバーを知ってもらいファンにする。箱推しさせる。

現在はどうかわかりませんが、48メンバーは基本的に単独でというよりはメンバー数人で動いていることが多かった。さらにA,K,Bチームと分けてその間での移籍も行われていた。

また、総選挙で順位をつけることによって、メンバー間を明確に区別することによってメンバーの背景のストーリーを強化することも行なっていた。

ここまでをまとめると、

  • ファンは移り変わるものだが、48グループ内でファンが移り変わる分には秋元さんや48グループとしては問題がない
  • ファン化のきっかけは外見要素などの明確な要素だが深みにハマる理由は多くは精神性
  • ファンになっているメンバーを使って他のメンバーの知るきっかけを作れば、他のメンバーの精神性などからファンになってもらえる
  • あるメンバーからあるメンバーへのファンの移行期などは箱推し現象が見られる
  • 基本的には単独仕事はさせず、人気のあるメンバーと他のメンバーを一緒に仕事させることで他のメンバーを知るきっかけづくりをした
  • ファンが48グループ内で移り変わることにより、メンバーのファンの寿命は変わらないが、48グループのファンの寿命は飛躍的に増加させることに成功した
  • 総選挙やメンバー分けを使うことによって、同一視されやすい努力などを不遇なポジションなどの背景を付加することによって、総選挙1位の人の努力と8位以下のメンバーの努力などを分け、かつ、わかりやすいレッテルを貼った。

凄いところその4ー情報の奔流は正義と定期的な情報も正義

好きなった人の好きなモノや趣味、身長から足のサイズまで、ストーカーっぽいですが、好きなった人であれば知りたいと思うのが普通だと思います。

そうなったときに、ファンになった人の全ての可処分時間をファンになったメンバーの情報収集の時間に消費させることが出来れば、他のことに気を取られることもなくせますし、知りたいという熱量が高いときに情報を与えてメンバーに対してより強くファン化させることができます。

だからこそ、ネット上でそのメンバーの情報を取得できる環境を作る。秋元さんはyoutubeをはじめ、各種SNSでそのメンバーの活動をアーカイブさせることを徹底したと私は思っています。

次に、ファンがファンじゃなくなるのは、対象への飽きが主な原因だと私は考えています。

じゃあ、なぜ飽きるのか?

新しい情報への接触が無くなるからです。

アーカイブしていた情報を全て見ると、ファンはそのメンバーに対する新しい情報が取得できなくなります。その場合は定期的な情報配信によりファンを繋ぎ止めます。

新しい情報を何月何日に出しますと告知をして、ファンを引っ張った後に情報を出す。また、告知はしなくても毎週など決まった時間に出すことでファン側が勝手にこの時間に新しい情報が出てくると認知します。

しかし、この場合、ファンに毎週情報を出すと約束していなくても、新しい情報が出ていると思ってyoutubeを開いたのに新しい情報がない場合、ファンは予めそれを見るために時間を作っているので、他の動画に流れる危険性が高いです。

また、引っ張っている期間が長いほど、ファンはその情報への期待が高くなる傾向があることは念頭におかなければなりません。

youtuberの方が毎日配信がツラいと発言されていました。情報を配信し続けるのは労力がいる事なので、そう言う面でもファンを48グループ内で回したりするシステムを作った秋元さんは流石だと考えています。

他のメンバーに移り変わった後、元のメンバーに戻った時に情報のアーカイブが増えており、またファンに戻るという事も考えられます。

ここまでをまとめると、

  • 鉄は熱いうちに打て。ファンになった人には大量の情報を得られる環境を作ることが大事
  • 飽きさせないために、定期的な新しい情報が必要
  • 舞台裏や練習風景などの情報から、ラジオ番組で仲の良いメンバーと一緒に何処どこに行ったなどの情報をアーカイブするようにしていた秋元さんは凄い

やっぱり凄い西野亮廣さん

秋元さんの話をしましたが、正直、秋元さんだから出来た事という認識が強いです。

手の届く部分でのファンというのがブルーオーシャンであり、その市場のシェアを根こそぎ取るために多種多様の女の子を集めてという行動ができるのは秋元さんみたいに一定の影響力が元々あるだけだと思います。

それでは西野さんはどうなのか?

秋元さんと比べたら西野さんの影響力は低いと言えます。

また、コンテンツがえんとつ町のプペルになって、万人に好かれて根こそぎシェアを奪うと言うよりは、より強いファンを作り出すという事に優れた人だと私は考えています。

凄いところその1ーどうやったら消費者に気持ち良くお金を払わせる機会をつくるのか

西野さんはコンテンツよりもその過程であったり、背景やストーリーを売る事が上手い方です。また、キャッシュポイントを創り出すも上手い方だと私は思っています。

西野さん自体もBBQ型(バーベキュー型)と表現していましたが、バーベキュー自体は素人の仲間が作るにもかかわらず、全体の費用としては、レストランで食べるのと同じぐらいのコストを払っています。

その金額を気持ちよく納得して払っているのは何故か?

バーベキューの串や焼きそばの味ではなく、その空間や一緒に作ったという経験に対して費用を払っているからです。

実際に背景や経験を売れというのは物凄く言われていて「河原の石を10万円で売るためにどうしたらいいのか?」という営業マンの研修もあったりします。

しかし、漫画やアニメ、映像コンテンツなどの場合、完成品で勝負に出るのが一般的だった。

原画や制作過程をニュースなどに取り上げられて価値を高めるという方法はあったかもしれませんが、通常消費者になる人をスタッフとして巻き込み、しかも消費者にお金を払わせて制作を手伝わせたり、会場の整備させたりすると言う概念を作ったのは西野さんじゃないかなぁと思っています。作ったのは西野さんではないかもしれませんが、この概念の代表者の1人に西野さんは入っていると私は思っています。

さらに、制作過程から巻き込む事で強烈なファンを作り上げています。

まとめ

御二方とも凄い。真似できる部分は真似できたらいいなと思っています。

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